3Dプリンター光造形3Dプリンターの特徴と導入時のメリット・デメリット

近年、製造業をはじめとする多くの業界で活用されるようになってきているのが、3Dプリンターです。
その中でも、光造形方式のものが多くの割合を占めています。
近年では様々なバリエーションが登場しており、2006年に特許が切れて以降は性能の向上が著しいです。

そんな大注目の光造形3Dプリンターですが、導入にあたっては概要や基本事項を押さえておくことが大切でしょう。
この記事では、光造形方式の3Dプリンターの特徴や仕組み、メリットデメリットについて解説します。

光造形方式とは

光造形方式とは、モデルを作る際に素材を光で照射し、固形化させながら積み上げていく方式のことです。
UV光があたることで固まる特性を持つレジン(UV硬化性樹脂)を使用しており、レジンにUVレーザーをあてることで形を作ります。

また、光造形方式の3Dプリンターの製品ラインナップとしては、業務用から一般向けに出回っているリーズナブルなアイテムまで様々なバリエーションがあります。

大別するとSLAとDLPの2つに分かれており、複数同時に作り上げるのであればDLP、高い精度のモデルにはSLAが適しています。

光造形方式の仕組み

ここでは、SLA方式を例にとって仕組みを紹介します。
まず、造形モデルを形作る「ビルドプラットフォーム」が、液体状態のレジンに漬かります。

その後レジンタンクの下方よりUVレーザーが照射され、レジンが硬化することで最初の層が出来上がります。
するとビルドプラットフォームが上に上がり、底面から剥離させると同時に余計についているレジンを落とします。

次に、先ほどよりも1層分だけ高い位置までビルドプラットフォームが下がり、再度レジンタンクの下方よりUVレーザーが照射され、2層目を形成します。
ここまでの流れを繰り返すことで少しずつ積層していき、最終的なモデルを作り上げていきます。

メリットとデメリット

ここでは導入する際のメリットとデメリットを説明します。

メリット

メリットとしてまず挙げられるのが、表面を美しく滑らかに仕上げられることです。
レジン液を使用するため、滑らかな質感が実現できます。

また、FDM方式よりも積層痕が目立たないことも、メリットのひとつでしょう。
プラスチックや金属などを溶かして固めるタイプだと、どうしてもモデルに積層痕ができやすくなってしまいます。

しかし光造成の場合は造形中に積層部分にレジン液が流れ込み、積層痕を消してくれるのです。
全くなくなるとまではいきませんが、他の方式と比較すると積層痕が残りにくいでしょう。
また、透明感の高いモデルが作れる点も大きなメリットです。
内部構造を視認したいモデルや、器などにおいては大変重宝される方式です。

デメリット

デメリットとしては、出来上がったものが太陽光に弱いことが挙げられます。
レジン液はUVによって固まるため、UVを含む太陽光に晒されることで硬化し、破損や変形につながってしまうのです。

また、出来上がったものには余分な樹脂が付いているため、不要な部分は洗浄して除去する必要があります。
水やアルコールを使って洗浄するのが一般的ですが、洗浄後は使用した水やアルコールにレジンが含まれるため、下水には流せません。

3Dプリンタ―にはその他にも形式が存在している

ここまでは光造形方式の3Dプリンターの特徴やメリット・デメリットについて紹介しましたが、3Dプリンターにはその他の方式のプリンターも存在しており、それぞれによって異なる特徴を持っております。
3Dプリンターの導入を検討している方は、その他の方式の特徴についても抑えた上で本当にご自身に適しているタイプはどれなのかを一度確認をしてみることが大事です。
その際の参考の記事として、是非コチラの「3Dプリンターの代表的な方式や材料と、導入のメリット」の記事をご覧ください。

光造形3Dプリンターの特徴を押さえよう

今回は、光造形3Dプリンターの特徴や仕組み、メリットデメリットについて解説してきました。
自社にとって導入が適切か判断する材料となりましたでしょうか?
光造形は滑らかなモデルを作成するのに適しているため、目的と照らし合わせて活用しましょう。

株式会社フュージョンテクノロジーは、独自の”LFS”方式で有名なformlabs社の日本正式代理店として、新たなシステムを搭載した光造形方式の3Dプリンターを取り扱っております。
詳しくはコチラのformlabsのページをご覧ください。