3Dプリンター3Dプリンター導入に役立つ「ものづくり補助金」の要件や申請方法
3Dプリンターの導入を検討されている事業部責任者の方に向け、ものづくり補助金について解説する記事です。
3Dプリンターを活用すればものづくりにおいてコストを削減し、業務効率化を狙えるはず。
今後、導入したいと検討されている方もいらっしゃるでしょうが、気になるのは導入のためのコストではないでしょうか?
長期的に利用できるものとは言え、導入時のコストを最小限に抑えたいと思われるのは当然のことです。
そこで今回の記事では、3Dプリンター事業に活用できる「ものづくり補助金」についてご紹介していきます。
記事を読んでいただければ、3Dプリンター導入で得られる補助金の金額や注意点、申請のための方法を御理解いただけるはずです。
もくじ
「ものづくり補助金」とは?
それではさっそく、3Dプリンターを利用した事業で活用できる「ものづくり補助金」についてご紹介します。
補助金の対象者・補助額・補助要件についてそれぞれ見ていきましょう。
対象者
まずは3Dプリンター事業の補助金対象となるのは次のような場合です。
【ものづくり補助金の対象者】- 中小企業もしくは小規模事業者
- 大企業による経営支配を受けていない企業
- 財団法人・社団法人・医療法人・学校法人ではない企業
- 要件を満たすNPO法人
ものづくり補助金の対象者となるのは、基本的に中小企業・小規模事業者です。
ただし大企業による経営的な支配を受けておらず、財団法人・社団法人・医療法人・学校法人でないことが条件となります。
補助金対象者に該当する企業でも、補助要件に当てはまらない場合は対象外とされる場合もあるので、3つ目の項目も確認してください。
補助額
3Dプリンター事業の補助金額は、事業タイプにより次のように異なります[1]。
【ものづくり補助金の補助金額】事業タイプ | 補助金上限額 | 補助率 |
---|---|---|
一般型 | 1,000万円 | 中小企業:1/2、小規模企業:2/3 |
一般型(低感染リスク型ビジネス枠) | 1,000万円 | 2/3 |
グローバル展開型 | 3,000万円 | 中小企業:1/2、小規模企業:2/3 |
ご紹介した補助金額は令和3年12月発表のものです。
補助金額は1年間の予算に応じて変更される可能性があるので、令和5年度分以降は変わるかもしれません。
しかし例年のとおりであれば、上記のように事業タイプにより補助金上限額・補助率が設定されます。
補助要件
3Dプリンター事業で活用できる補助金には、次のような補助要件があります[1]。
【ものづくり補助金の補助金額】- 付加価値額:1年につき+3%以上
- 給与支給総額:1年につき+1.5%以上
- 地域別最低賃金より事業所内の最低賃金が+30円
- 事業計画の策定・実行が3~5年
上記の要件を満たしていることが支給要件の基本です。
ただし新型コロナウイルス感染拡大の状況によっては、付加価値額・賃金引き上げが要件から省かれる可能性もあります。
情勢により例外はあるかもしれませんが、以上4つの要件を満たしている場合に補助金が支給されます。
ものづくり補助金の申請が通るまでの流れ
それでは3Dプリンター事業で「ものづくり補助金を活用したい」と思った場合、どのように申請を行うのでしょうか?
ものづくり補助金の申請が通るまでの流れについて、順を追って見ていきましょう。
- 事業計画書の作成
- 専用サイトから補助金を申請
- 審査
- 結果の通知
- 説明会への出席
- 補助金の交付申請
- 補助金の交付
- 事務局による監査
- 実績報告書の作成・提出
- 事務局による検査
- 補助金の請求
- 補助金の交付
ものづくり補助金の申請は複雑で、事務局による審査や監査・検査、実績報告書の提出などが必要となります。
しかし補助金額は大きいため、手順の複雑さを理由に活用しないのはもったいないことです。
行政書士事務所などで申請のサポートをしてもらうこともできるので、申請の簡単に済ませたい場合は利用されてみてはいかがでしょうか。
必要書類
3Dプリンター事業で補助金の交付を受けるには、次のように事前に用意しておきたい必要書類があります。
【ものづくり補助金の必要書類】- 事業計画書
- 賃金引上計画書
- 過去2期分の決算書もしくは確定申告書一式
- 認定支援機関確認書
- 登記簿謄本もしくは開業届出書控え
申請のための基本的な書類は上記のとおりですが、審査で加点を受けるためには、加点を証明するための書類も必要です。
加点には成長性・政策・災害などがあります。
たとえば成長性を証明するためには経営革新計画書などが必要となるでしょう。
しかし基本的には上記の5つの書類だけで申請を行えます。
ものづくり補助金の申請を審査されるポイント
ものづくり補助金の申請では審査が行われますが、審査で確認されるポイントについても知っておきましょう。
【ものづくり補助金の審査ポイント】- 技術:革新的な開発や生産性を高めるための技術が取り入れられていること
- 事業:スケジュールが妥当で補助事業を遂行できること、市場ニーズの把握ができていること、費用対効果が十分であること
- 政策:実行にあたって波及効果が期待できる事業であること、先進性・環境への配慮が見られること
- 加点:成長・政策・災害・賃上げにおいて加点が行えること
審査されるポイントの基本は、事業が完遂されること、国の方針に沿う革新的な事業により大きな波及効果が得られることなどとなります。
加点については必要書類の項目で解説したように、審査において「プラス」とされる部分です。
加点が行われなくても審査を通過できることもありますが、加点があればより通過率が高くなるでしょう。
3Dプリンターによる事業で補助金を受けるには、以上のような審査ポイントをクリアしている必要があります。
ものづくり補助金を申請する際の注意点
ものづくり補助金を申請する際には、次のようなポイントに注意してください。
【注意点】- 補助金の対象であることを確認すること
- 書類で審査項目を満たしていると明確にすること
- 書類はわかりやすく記載すること
- 事業を計画通りに遂行すること
- 導入した設備は許可なく廃棄しないこと
- 補助を受けた後は5年間の事業報告をすること
補助金の対象であることを確認することは基本ですが、審査は書類でのみ行われるので審査項目を満たすよう記載することも大切です。 書類は業種について知識がない方でもわかるよう、平易に記載すると審査通過率が高まるかもしれません。
補助金の支給が決定された後は、当該事業を計画通りに遂行することと、設備を許可なく廃棄しないことに注意しましょう。 補助金を活用して導入した設備は審査を受けた事業にのみ使え、許可なく廃棄できないことを覚えておいてください。 そして補助を受けた事業が終了した後、5年間は対象の事業に関する報告義務が生じることも注意点です。
3Dプリンターを活用した事業で補助金を受けるには、以上の6つが意識するべき注意点となります。
導入に際して3Dプリンターの種類や特徴を抑えておきましょう
今回の記事では、3Dプリンターを導入する際に活用できる補助金と、その申請方法などについて解説しました。
しかし、実際に自社へと導入する場合には形式や使われる素材などの情報も事前にしっかりと確認をしたうえで導入に踏み切るかどうかを判断する必要もあるでしょう。
そんな3Dプリンタ―の基礎情報については、コチラの「3Dプリンターの代表的な方式や材料と、導入のメリット」の記事で解説しておりますので、是非あわせてご覧ください。
ものづくり補助金を活用して3Dプリンターを導入
いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで3Dプリンター事業で活用できるものづくり補助金についてご理解いただけたと思います。
補助上限額が大きいものづくり補助金。
ぜひ活用して、3Dプリンターを活用した新たな事業に着手されてみてはいかがでしょうか。
フュージョンテクノロジーでは、高性能機種やリーズナブルなものまで、さまざまな3Dプリンターをご用意しています。
3Dプリンターについてのご相談はぜひ株式会社フュージョンテクノロジーまでお寄せください。