3Dプリンター3Dプリンターで代表的なファイル形式の特徴・メリット・デメリット

3Dプリンターでの主なファイル形式6種類についてご紹介する記事です。

「3Dプリンターを使ってみよう」と思っても、プリンターやデータの送受信に対応するファイルの種類がわからないということはありませんか?
実際にその種類はさまざまで、色彩・素材・テクスチャの保持や容量に差があります。
それぞれに特徴・メリット・デメリットがあるので、ご自身の活用法により使い分けることが大切です。

そこで今回の記事では、3Dプリンターで利用される代表的な6つのファイル形式を解説します。
記事を読んでいただければ、3Dプリンターのファイルの種類について、基本的な知識を習得していただけるはずです。

3Dプリンターで使われるファイル形式

代表的なファイル形式は、次の6種類です。それぞれの特徴について見ていきましょう。

形式1:STL

3Dプリンターで標準的であるのが「STL」です。
最も普及率が高いファイルの種類であり、3Dプリンターの登場以来、基本的として利用されてきました。
画像ファイルで例えると、「jpeg」のような存在です。
古いタイプのソフトでない限りほとんどの3DCADソフトでサポートされている
ので、汎用性は抜群です。

またテキストエディタによりデータの修正が行いやすいこともメリットと言えます。
拡張子は「.stl」です。
しかし単色しか取り扱えないことから、フルカラー時代のファイル形式としては不十分との声も…。
長い目で見据えると、現在標準となっている「STL」では時代遅れになるのではないかと言われています。
ただし3Dプリンターを利用する際に、基本となるファイルの種類は「STL」だと考えてください。

形式2:VRML

「VRML」はブラウザで利用される3DCGのファイル形式のことです。
最も普及率が高いファイルの種類であり、3Dプリンターの登場以来、基本的として利用されてきました。
そのためポリゴンのデータに加え、テクスチャ・明るさ・光源・音声に関するデータも保持することが特徴。
多くのデータを保持することからデータ容量は大きくなりがち。
しかしアスキー形式であることから修正は行いやすく、「STL」と同様に汎用性が高くもあります。
拡張子は「.wrl」。
「VRML」はほとんどのモデリングツールでサポートされています。
そのため「STL」と並び基本的なファイルの種類とされているのが「VRML」です。

形式3:OBJ

「OBJ」というファイル形式は、発光とテクスチャのデータを保持できます。
拡張子は「obj」。
「STL」は一つの色彩にしか対応していませんが、「OBJ」では色彩や素材に関して複数のデータを保持することが特徴です。
3Dオブジェクトの表現を保存したい場合におすすめ。
しかし保持するデータが複雑であるがために、ファイルの修正は「STL」に比べ難しい傾向があります。
また利用するためにプラグインを用意しないといけないことも…。
「OBJ」が保持する色彩・素材を表現するためには、カラーに対応した3Dプリンターが必要であることにも注意が必要です。
複数の色彩・素材のデータを保持するものの、少々使いにくいと感じられるかもしれません。

形式4:3DS

CGデータを作成する方にとってはお馴染みかもしれない「3DS」は、Autodesk社専用のファイル形式です。
Autodesk社の代表ソフトである「3D Studio Max」「3ds Max」で標準的に使用されています。
3Dプリンターにとって最終的なファイル形式ではないため、色彩やポリゴンなどに関する各データを保持することが特徴となっています。
拡張子は「.max」です。
「3DS」というファイルの種類は、Autodesk社のソフトを活用する際に便利に利用できるでしょう。

形式5:AMF

「STL」のデメリットを補うのが「AMF」です。
拡張子は「.amf」。
「STL」では色や素材に関するデータを保持できませんでした。
しかし「AMF」では色・素材・テクスチャーの情報を保持しながら、小さな容量でデータを保持することに成功しています。
「STL」のデメリットを補う点では品質の高いファイルの種類です。
「STL2.0」と呼ばれるほど優れた技術を持ち、まさに「二代目STL」と呼ばれるものでした。
しかし登場した時代では需要が少なく、広く普及しなかったことから採用したモデリングソフトは多くありません。
さらに次の項目で解説する「3MF」の台頭により、少々影の薄い存在となりました。

形式6:3MF

「3MF」は最も新しい形式です。
2015年にMicrosoft・Autodeskなどの企業により、通常のプリンターのように紙に印刷するよう取り扱えるデータを目指して開発されました。
専門家ではなく、実際に3Dモデリングを取り扱う企業から開発されたことが大きな特徴。
拡張子は「.3mf」。
ポリゴン・色彩・素材・テクスチャのデータを保持しながら、「AMF」よりさらに小さな容量で保存可能となりました。
複雑であるがゆえに現時点では普及率が高いとは言えませんが、性能の高さから今後主流になっていくと考えられています。
3Dプリンター以外の機械でも使用できる汎用性の高さから、今最も注目を集めている最先端のファイル形式です。

ファイル形式の使い分けが重要

ファイルの種類にはそれぞれメリット・デメリットがあります。
しかし保存するデータの送受信や容量、解像度などにあわせて、ファイル形式を使い分けることが重要です。

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