3Dプリンター3Dプリンターの「精度」を考える上でのポイント

3Dプリンターの導入・使用にあたっては、コストだけでなく完成品の仕上がりについても気になるものですよね。
業務仕様であれば当然モデルの再現度は重要です。
また、個人で利用する上でも、こだわりを持っている方は少なくないでしょう。
限られた予算の中で、可能な限り成果を出すためには、誤差を生む要因などを理解しておかなくてはなりません。
また、「安い製品はどうしても精度が下がってしまう?」と気になっている方もいるでしょう。
そのためこの記事では、3Dプリンターの精度について、概要や誤差を生む要因などについて解説します。
精度を追求したい方は、参考にしていただけますと幸いです。

「精度」の意味

ここでお話しする「精度」とは、装置が対象を再現する際の細かさや精密さを表します。
再現の元となる対象物と比較して、完成物との差がどれだけ少ないかを表す言葉だといるでしょう。
精度には、寸法に関するものと表面の仕上がりに関するものの2つがあります。
データ通りに再現されることはもちろん重要であり、表面の仕上がりの良さも重要視される局面は多々あります。

寸法に関しては、「誤差偏差」の大小で判断します。
判断の対象は長さだけにとどまらず、物体を「面」で捉えて誤差を確認するのが通常です。
解像度が高いからといって誤差偏差が低い訳ではなく、1つの誤差が小さいからといって多数実施した紙のバラツキまで小さいとは限りません。

「精度」を決定する要素

ここでは、「精度」を決定する要素として主なものを紹介します。

Z方向の積層ピッチ

まず挙げられるのが、Z(垂直)方向の積層ピッチです。
積層ピッチとは、対象物を積み上げていく際の間隔のことを指します。
医療機関で使用されるMRI画像のように、立体物をいくつもの面にスライスして積み上げていくのが、3Dプリンターです。
そのため、積層ピッチの幅は垂直方向の誤差に影響するのです。

基本的にはどの製品の使用表にも記載があるため、確認は簡単にできます。
各層の幅が細かいほど測定する場所による差が低くなります。
そのため誤差が少なく、滑らかな表面を再現できるのです。

ただし積層ピッチの幅は、方式によって数十μm~数百μmと、幅があります。
造形方式にもよりますが、やはり積層ピッチが小さい方が誤差は少ないでしょう。
ちなみに「μ(マイクロ)」とは、基本となる単位の100万分の1を意味する記号です。

X-Y方向の解像度

X-Y方向、つまり「縦×横」の平面における解像度の違いも、大きなポイントです。
こちらも造形方式によって仕様表に記載されている単位が異なります。
基本的な表現方法は、「Dpi」や「mm」などです。
「Dpi」とは「dots per inch(ドット・パー・インチ)」の略であり、1インチ(2.54cm)内にどれだけ点が含まれているかを表します。
「Dpi」の場合は、値が大きいほど誤差の低い滑らかな再現が可能です。
「mm」の場合は、値が小さいほど制度が出やすいといえます。

反り返り

完成品の反り返りも、重要なポイントの1つです。
3Dプリンターでは、層を積み上げていく段階でどうしても熱が加わってしまいます。
造形方式次第では高温になることもあり、冷える際の温度差が高くなることで反りが発生してしまうのです。
たとえばFDM(熱溶解積層)方式では、溶解させた樹脂を重ねていくため、熱収縮によるモデルの反りが発生しやすくなります。
対象の形状によっては、水平方向の誤差よりも反りの与える悪影響の方が大きくなるため注意しましょう。
ケースによっては、温度のコントロールに細心の注意を払う必要があります。
また、使用する材料によっては造形方式そのものを見直すことも求められます。

サポート材の残存状態

完成時点で誤差が少なかったとしても、サポート材がモデルの表面に残存している場合、誤差につながる可能性があります。

サポート材とは、層を重ねていく際に使用する支持材のことです。
下から上に向かって重ねていく組み立て方では、「T」や「Y」の形をしているモデルを再現する際に問題が生じます。
「T」の「―」部分など、下に支えがない箇所は崩れたり変形したりしやすくなるのです。
そこで、積み重ねる段階からモデルと一緒に支えとしてサポート材も重ねていき、完了後に取り除きます。

その際、サポート材が多く残っているとその分だけ誤差が生じてしまうため、しっかりと除去することが重要でしょう。

サポート材の除去方法を含めた3Dプリンターの後処理の方法については、コチラの「3Dプリンターの後処理方法とコツ」の記事をご覧ください。

処理後の変形

誤差が生じる原因としては、処理が全て完了した後の変形も挙げられるでしょう。
誤差が生じにくい製品の多くは、UV硬化性の樹脂を利用しています。

そしてUV硬化樹脂は、吸水によって膨らんでしまう性質を持っているのです。
再現性の高さを追求するのであれば、吸水率が少ない製品を利用することが重要です。

精度を高めるためにはスライサーソフトへの理解が不可欠

ここまでは精度を左右する要素について詳しく紹介してきました。しかしそうした要素を抽出するためにはスライサーソフトを使用する必要があるものもあります。
それ故にスライサーソフトをしっかりと理解することは精度を上げるためには必要不可欠であると言えるでしょう。

そんなスライサーソフトへの理解を深めたいという方は、コチラの「3Dプリンタ―のスライサーソフト」の記事をご覧ください。

安価なモデルと業務用のモデルでの「精度」の比較

安価な製品と業務用製品とでは、やはり精度の面で違いがあるといえるでしょう。

まず寸法の誤差については、業務用製品の方が反りや変形を抑える機能が備わっていることが多いといえます。
安価な製品では、ABS樹脂がよく使われています。
そしてABS樹脂は、温度次第で歪みや反りを発生させやすいのです。

また表面精度に関しても、業務用製品の方がサポート除去時の荒れを抑えて仕上げられます。
そもそも採用されている機構やプログラムに関しても、業務用製品の方が高性能です。
たとえば反りの防止に関しては、「ヒートチャンパー」と呼ばれる機能によって、熱収縮を抑制する効果が期待できます。
この機能により、ABS樹脂など変形しやすい材料を使用しても、歪みを最小限に抑えることが見込めるのです。

フュージョンテクノロジーでは製品のご提案からサポートまで対応

今回は、3Dプリンターの精度に関して、意味や誤差を生み出す要因などを解説しました。
3Dプリンターの精度は積層ピッチやX-Y方向の解像度、反りの発生などによって決まりますので、ポイントを抑えておくことは非常に重要だと言えます。
また、もし誤差を生む要因が自身だけでは分からないという方は、一度専門の会社まで問い合わせても見るといいかもしれません。

フュージョンテクノロジーでは、高性能機種やリーズナブルなものまで、さまざまな3Dプリンターをご用意しています。
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