ポルシェが産業用3DプリンターメーカーINTAMSYSへの資本参加を発表 製造業DX（デジタルトランスフォーメーション）を加速する狙い
- ポルシェ傘下のベンチャー・キャピタル(VC)が産業用3DプリンターメーカーINTAMSYSへの資本参加を発表。DX（デジタルトランスフォーメーション）の新分野を開拓した。
- 二社の提携によりデジタルAM(付加製造）使用シーンを拡大。高級車分野のデジタルモバイルソリューション提供者として、戦略目標の実現を加速する。
- ポルシェのDX（デジタルトランスフォーメーション）を製品製造に取り入れることで、自社のデジタル戦略構成を充実させ、より総合的なデジタル製品体験を実現させる狙い。
- ポルシェは今後も中国市場を継続的に開拓し、資本投入を積極的に拡大、現地事業を強化していく構想。
先日、ポルシェ傘下のベンチャー・キャピタル(VC)(以下ポルシェ・ベンチャーズ)は、産業用スーパーエンプラ3DプリンターメーカーINTAMSYSへの資本参加を発表、自動車産業におけるデジタルマニュファクチャリングの応用を模索する考えを示した。今回の行動は、ポルシェが付加製造(AM)に対する初の試みであり、デジタル戦略を加速する新たな動きでもある。
市場の変化に対してより柔軟に対応していくために、技術革新及びインテリジェント・ソリューションを研究開発する能力は、ポルシェの今後の継続的な技術進歩と事業成功を決定する重要な要素であるが、自動車産業のデジタルトランスフォーメーションの推進にあたって、柱となる技術の一つとして挙げられる3D印刷分野では急速な技術革新が進み、今や自動車産業にも深く浸透してきている事実は、将来のデジタル化製造技術の中で重要な役割を果たしていくとポルシェは考えている。
近年、3D印刷は小ロットの部品開発と生産に新たな可能性を創出しており、付加製造(AM)ソリューションへの革新及び研究開発は、製品及び部品の最適化、企業内のデジタルトランスフォーメーションの促進に役立つことから、長期的かつ継続的に投資する価値のある分野として注目されている。
長年にわたり、ポルシェはその優れたスポーツカー製造技術で広く世に知られている。パートナーとなったINTAMSYSの技術に対する深い理解、及びデジタルマニュファクチャリング技術を究極的に追求する姿勢は、ポルシェのニーズに非常に強く一致している。日々厳しくなる工業生産基準に対して、INTAMSYSが長年の技術研究の末、多くの生産上の困難を克服し、自動車部品の小ロット生産を実現したことでチームの技術力が十分に示された形となる。
ポルシェは、今回の資本参加を通じて、デジタル化を製品製造工程まで深く入り込ませ、生産構造を最適化、企業のデジタル戦略構築を充実させることで、顧客により豊富なデジタル製品体験がもたらされることを望んでいる。将来的には更に多くの付加製造(AM)ソリューションを開拓し、高級車分野のデジタルモバイルソリューションの提供者として企業の戦略目標の実現を加速させる見込みだ。
INTAMSYSは、グローバル顧客にスーパーエンプラ3D印刷及び工業付加製造(AM)ソリューションを提供するハイテク企業であり、2016年に市場に参入してから、徐々にこのセグメントのリーディングカンパニーに発展してきた。INTAMSYSは、3D印刷を原型製作から量産に促進させることを取組んており、コア技術進歩を加速するための研究開発に投資し続け、機能テスト、原型製作、治具工具製作から量産までの完全な付加製造(AM)ソリューションを提供している。現在の製品は、航空宇宙、自動車、医療、科学研究等の分野で幅広く使用されているが、今回のポルシェとの協力により、自動車産業分野での更なる事業発展が期待される。
INTAMSYSのコメント
当社の製品とビジョンがポルシェに認められ、支持して頂けたことを大変嬉しく思います。今後もポルシェと引続き緊密に連携して革新的な製品を更に多く開発し、自動車産業における実用化を広め、自動車分野のデジタルトランスフォーメーションを促進し、ハイテクソリューションの良さをより多くの顧客に提供できることを望んでいます。
ポルシェ中国 社長のコメント
デジタルトランスフォーメーションは、生活・生産のあらゆる面に浸透しており、既にポルシェの経営戦略のコア議題にも取り入れられています。付加製造(AM)技術の実用化を大いに推進し、3D印刷からもたらされた製品、及び技術面における巨大な革新力を利用することで、顧客に対してより柔軟な対応を提供できると私たちは考えています。INTAMSYSと重要な戦略的パートナーとなることで、自社のデジタル化ビジョンの早期実現を加速できることを光栄に思います。