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生産ラインの部品製造にFUNMAT HTを活用、コストが10分の1に

製薬業界
INTAMSYS
顧客名: ABIGO Medical AB(スウェーデン)
業界: 製薬
応用: 生産ラインの部品製造
マテリアル: PEEK、PC
3Dプリンター: FUNMAT HT

リバースエンジニアリングと3Dプリンターの高精度な部品製造によって、スウェーデン製薬会社ABIGO Medical ABの生産ラインの稼働が確保された。

スウェーデン製薬会社ABIGOの生産ライン

備品の納期が8週間であると判断された時、スウェーデン製薬会社ABIGO Medical ABのメンテナンス部門は、INTAMSYS社のFUNMAT HT 3Dプリンターを使用して幾つかのプーリーホイールを製作し、包装ラインの正常稼働を確保することができた。生産技術者Linus Gohle氏は「生産された部品が包装ラインにおいて9週間稼働し、従来の部品よりコストが10分の1安くなった」と称賛した。

国際的な製薬会社であるスウェーデンABIGO Medical ABは、主に創傷ケア商品開発と製造販売に携わっている。中には、自社の特許製品の開発も含まれている。生産は厳しい業界ルールによってAskersundにある自社工場で行われている。生産ラインのメンテナンスを担当する生産技術者Linus Gohle氏は「製薬業には非常に厳しい規定がある為、PEEKとULTEMを使用できる3Dプリンターを探していた。時には、使用する材料の審査も必要となる」と語った。

納期の短縮

ABIGOはINTAMSYS社のFUNMAT HT 3Dプリンターを購入した。この製品はチャンバー機能付き3Dプリンターの入門版とも言える。チャンバー最高温度は90℃、プラットホーム最高温度は160℃、ノズル最高温度は450℃という設計で、PEEKやPEKKなどスーパーエンジニアリングプラスチックを印刷することができる。Linus Gohle氏は「スライサーソフトの標準設定でINTAMSYS社のPEEKを印刷したら、反りがなく、層間結合力も良い」と述べた。今回作られた部品は工場の新しい生産ラインの備品である。包装ラインの紙を引く装置のプーリーホイールが摩耗した為、その周りのゴムが固くなり、稼働時に故障が発生してしまった。Linus Gohle氏は「この生産ラインは新しく設置されたものである為、備品の在庫がまだ一つもない。従来の部品の納期は7-8週間がかかり、生産ラインの運行にとっては長すぎる。」と語った。

リバースエンジニアリングと3Dプリンティング技術

Linus Gohle氏がリバースエンジニアリングの考えで解決案を見つけた。彼はINTAMSYS社のFUNMAT HT 3Dプリンターを使用してPEEKを印刷した。PEEKを選択した理由は包装ラインの温度が85-87℃もあるからである。3Dプリンターで作られたプーリーホイールの直径が92㎜であり、その周りにゴム製のO型リングを付けた。PEEK材で作られた部品を通じて、従来の部品が届くまで包装ラインの正常な運行が保証されることをLinus Gohleさんは期待していた。「3Dプリンターで作られたPEEKのプーリーホイールが生産ラインで9週間使用され、オリジナル部品が届いた後も順調に使用され続け、かつ状態が良好である」とLinus Gohle氏は語った。

FUNMAT HT 3DプリンターでPEEKをして部品を造形している様子

3Dプリンターで印刷するとコストが10分1に削減

このような簡単な解決案で、生産ライン停止に繋がりかねない納期が遅いという問題が解決された。驚いたのは従来の部品に比べ3Dプリンターで作られた部品はコストが10分の1安いことである。更に使用寿命も長いと生産技術が称賛した。一方、Linus Gohle氏のチームは、一つコンベアベルトの軸受箱を含む摩耗した部品と交換する為に、多くの部品を印刷した。納期はもはや問題でなくなった。3Dプリンターの活用によって、備品の納期を短縮することができ、コストもかなり安くなった。「我々はPC素材を使用してコンベヤベルトのベアリングを製作した。そのコストは100€だが、従来のアルミ製は4000€である。しかも作られたベアリングはハウジングによくフィットしている。INTAMSYS社のFUNMAT HT 3DプリンターでPC(ポリカーボネート)を使用した印刷は、他の材料と同じく簡単であり、デフォルト設定を少し調整するだけである」とLinus Gohle氏は説明した。

アルミ製部品を置き換える

PC(ポリカーボネート)はLinus Gohle氏を含めABIGOメディカルメンテナンス部門スタッフが最も好みの材料である。この材料は優れた機械特性とコストパフォーマンスを持っており、印刷も簡単である。PEEKは特別な用途のみ使用される。ABIGOメディカルのメンテナンスチームにとって、納期が遅い、コストが高い或いは再組立によって部品を改善する可能性がある場合、INTAMSYS社のFFF式(熱溶解積層法)3Dプリンターはリバースエンジニアリングを利用して備品を製造するのに最適なものである。Linus Gohle氏は長い間3Dプリンターを使用していたが、アルミ製部品を製作できる金属3Dプリンターは高価で、一般のFFF式(熱溶解積層法)3DプリンターはPLAの特性をうまく表現できないことに気づいた。しかしながら、現在、機能性材料を使用することによって、アルミ製部品は3Dプリンターで作られた部品に置き換えることができた為、チャンバー機能付きのINTAMSYS社FUNMAT シリーズの3Dプリンターはベストチョイスとなる。「INTAMSYS社FUNMAT HT 3Dプリンターのカタログを見てすぐ気になった。スーパーエンプラを使用できることが3Dプリンターを選ぶポイントである。我々は厳しい業界ルールの下に仕事をしなければならない。時には承認された材料のみしか使用しないように顧客に求められたこともある。その為に、プリンターの製品構成と対応材料についてオープンにしているサプライヤーを見つけなければならない。これは我々がINTAMSYSを選択した理由である」とLinus Gohle氏は語った。PEEKは創傷ケア商品の包装ラインの部品を印刷する際に唯一使える材料である。

INTAMSYS社 FUNMAT HT 3Dプリンター

高品質高精度の部品作り

Linus Gohle氏が驚いたのは、スライサーソフトを使ってPEEKの標準設定で印刷した部品の品質が非常に良いことである。「高温材料の印刷は多くの問題が発生しやすいが、INTAMSYS社FUNMAT HT 3Dプリンターは、ワンクリックで数時間で高品質高精度の部品を手に入れることができた」と感銘を受けた。作られた部品がすぐに生産ラインに取り付けられ、正常な生産運行を保証することができた。我々が使用したのはINTAMSYS社のオリジナルPC(ポリカーボネート)である。市販の安価な材料をテストしたこともあるが、常に印刷設定を調整する必要がある。しかし、INTAMSYS社のPC(ポリカーボネート)ではこういう手間がかからない。

「我々が持っている3Dプリンターはほぼ24時間フル稼働をしている。部品作りだけでなく、トレーニングと学習にも使用されている」。現在、メンテナンス部門のスタッフ3名がINTAMSYS社FUNMAT HT 3Dプリンターを上手に使うことができる。ほとんどの製図作業はLinus Gohle氏が担当している。「今後、3Dプリンターを利用してメンテナンス作業等の仕事を行うことが益々増えると我々は気付いた。材料と制限について知れば知るほど、3Dプリンターについての理解が深まって行く。また、INTAMSYSのスウェーデンパートナーであるAdditiva ABのサポートも受けている。設置期間中において1日の技術講習を受け、現在ではほとんどの問題は電話で解決するが、今後技術講習を更に受ける予定である。既に3Dプリンターを使う経験があるとしても、このようなサポートも重要である」

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