3DプリンターFDM方式3Dプリンター「ボーデン式」と「ダイレクト式」の違い
3Dプリンターの導入を検討されている方に向けて、FDM方式の「ボーデン式」と「ダイレクト式」の違いについて解説する記事です。
「3Dプリンターを導入してみよう」と考えて製品選びをしようとすると、意外なほど種類が多く悩まれる方は多いものです。
たとえばFDM方式3Dプリンターを調べていくと、「ボーデン式」と「ダイレクト式」の2種類があることに気づかれるでしょう。
ボーデン式とダイレクト式にはそれぞれメリット・デメリットがあります。
特徴を知らずに導入すると失敗してしまう可能性も…。
そこで今回の記事では、FDM方式におけるボーデン式とダイレクト式の特徴を、メリット・デメリットから解説していきます。
記事を読んでいただければ、自社が導入するべきなのはどちらの3Dプリンターなのかおわかりいただけるはずです。
ボーデン式とは?
それではまず、FDM方式3Dプリンターの「ボーデン式」について、メリットとデメリットをご紹介していきます。
メリット
ボーデン式を導入すると、次のようなメリットが感じられるはずです。
【ボーデン式のメリット】- 完成品の精度が高くなる
- 高速な造形ができる
- 静音性が高い
- 大型の造形に適している
- 軽量かつコンパクト
ボーデン式には「プリントヘッドが小型・軽量で分離している」という特徴があります。
軽量なプリントヘッドはスムーズに動きやすいため高速で、作動しているときも大きな音を発さず精度高く造形ができます。
またプリントヘッドを支えるための強度を低くできることから、3Dプリンター全体が軽くなることもメリットです。
大型の造形に適しているのもプリントヘッドが軽量で、動ける範囲が広くなるため。
FDM方式におけるボーデン式のメリットは、プリントヘッドの軽量性によるものが大きいでしょう。
デメリット
ボーデン式にはメリットばかりでなく、次のようなデメリットもあります。
【ボーデン式のデメリット】- フィラメントが装着しづらい
- 応答速度が遅い
- エクストルーダーギアに不具合が起きやすい
- フィラメント選びに制限がある
デメリットは、フィラメントの長さに端を発します。
フィラメントが長いことから応答速度が遅くなり、装着がしづらく、摩擦の発生により不具合が起きやすくなる可能性があります。
また滑りにくかったり強度が低かったりするフィラメントは使えないこともあり、フィラメント選びが難しいこともデメリットです。
ボーデン式には多くのメリットがありますが、以上のようなデメリットもあることを知っておいてください。
ダイレクト式とは?
次に「ダイレクト式」にはどのような特徴があるのか、メリット・デメリットから見ていきましょう。
メリット
まずダイレクト式には次のようなメリットがあります。
【ダイレクト式のメリット】- フィラメントの排出がスムーズになる
- リトラクションの応答速度が早い
- フィラメントの選択に制限が少ない
ダイレクト式のメリットは、ボーデン式のデメリットとほぼ反対です。
やわらかな材料のフィラメントでも使え、排出もスムーズに行なえます。
またフィラメントの引き戻しが迅速になることから追従性が上がり、応答速度が早くなることもメリットと言えるでしょう。
FDM方式のダイレクト式には、以上のようにスムーズに動きフィラメントが選びやすいメリットがあります。
デメリット
それでは次に、ダイレクト式にはどのようなデメリットがあるのか見ていきましょう。
【ダイレクト式のデメリット】- 完成品の精度が低くなることがある
- 大型の造形に適していない
- 重量がある
ダイレクト式はデメリットに関しても、ボーデン式と正反対です。
ボーデン式とは違いプリントヘッドに重量があるため、ガタつきやすく完成度の精度が低くなることがあります。
また大型のプリントヘッドは動ける範囲が狭く、大型の造形はしにくいと感じられるでしょう。
プリントヘッドの重さを支えるには、3Dプリンター自体の強度を高める必要があります。
そのため3Dプリンター自体が重く、大きくなることもデメリットのひとつ。
ダイレクト式のデメリットは、プリントヘッドの動きがスムーズでないことによる精度の低さ、動ける範囲の狭さと重量にあります。
FDM方式の前提を理解することが大事
ここまではFDM方式の3Dプリンターの中でも「ボーデン式」と「ダイレクト式」という2つに焦点を絞って解説しましたが、FDM方式の3Dプリンターを導入しようと考えている方は是非「FDM方式」のそもそもの特徴について理解しておきましょう。
詳しくはコチラの「FDM方式とは。仕組みやメリットについて解説」の記事をご覧下さい。
両者の違いを押さえておきましょう
今回は、FDM方式3Dプリンターのボーデン式とダイレクト式違いについて解説してきました。
自社にとってどちらの3Dプリンターが必要か判断する材料となりましたでしょうか?
導入する際にはボーデン式とダイレクト式の違いを押さえて、自社の用途により適したほうを導入することが重要です。
フュージョンテクノロジーでは、高性能機種やリーズナブルなものまで、さまざまな3Dプリンターをご用意しています。
3Dプリンターについてのご相談はぜひ株式会社フュージョンテクノロジーまでお寄せください。