アプリケーションの背景
製造業の一般的な開発シーン(プロトタイピング、形状確認、嵌合、機能検証)において、3Dプリントは今やメジャーな手法として定着しています。量産面は依然CNC機械加工か射出成型が主流ではありますが、近年では産業用3Dプリンター、スライスソフトウェア及び材料の進歩により、FFF/FDM技術は最終部品や製品に使われるようにもなりはじめ、注目を集めています。
ダイレクトドライブモーターの開発・製造・販売と高精度モーションプラットフォームソリューションの提供を専門とする精密電子機械メーカー様では、近年顧客のために高速装着機を開発・製造していますが、装置に搭載されるリニアモーターの保護に関する要望があり、同社のエンジニアは適切な解決策を模索していました。
担当のエンジニアが設計したリニアモーター保護カバーは、従来のCNC板金加工だと100個の生産で10日を要し、1個あたり約1000円のコストがかかります。しかも社内調達プロセスやサンプル分のコストは含まれていません。それに対してAmesos mfgからなされたのは、100個の生産で3日、1個あたり約200円という驚きの提案です。
これらの要因から、Amesos mfgチームの提案が採用されました。
Amesos mfgチームは、当該機器メーカーに対してリニアモーター保護カバーの設計、技術コンサルティング及び製造を行い、サプライチェーンの効率化と生産コスト削減、リードタイムの短縮に貢献しました。
リニアモーターのカスタム寸法に合わせるため、プロセスエンジニアは迅速にプロトタイプの検証を実施しました。プロトタイプの使用が決定されると直ちに生産スケジュールが組まれ、100個のリニアモーター保護カバーの最終納品は僅か2日で完了しました。
リニアモーター保護カバーの役割は、モーター磁石の露出を防ぐことです。金属の粉塵などはモータの磁力に引き寄せられやすく、モーターの正常な動作を妨げたり、破損させたりすることがあるためです。また、当該装置のリニアガイドにカバーがないと、怪我や事故の原因となるため、保護カバーには耐衝撃性と表面の平滑性の両立が求められました。
BladeMate ABSは、プロセスエンジニアがBlade 1シリーズの機械で継続的にテストしており、その優れた靭性と衝撃への強さ、耐熱性や耐電圧、日常の化学物質への耐性など、今回の用途に十分なものだと検証しました。
多くの企業では「3Dプリンティングはプロトタイピングには十分だが、最終製品には使えない」と考えられているようです。しかし現実には、多くの3Dプリント部品は従来の製造法で作られた部品と同じように、また場合によってはそれよりも優れた性能を発揮します。Amesos mfgは、今回のリニアモーター保護カバーの製作を通して、産業用最終部品の製造に3Dプリンティング技術の優位性があると示しています。
デジタル即時生産。ユーザーはオンデマンドで部品を製造するという新しい手法を利用し、短期間かつ低コストで部品を製造することができます。
カスタマイズされたパーツの量産が可能に。従来の方法では、少量のカスタムパーツを製造するのは非効率的でコスト高になる傾向がありますが、3Dプリンティングではこれを解決できる場合があります。
オンデマンド生産によって需要に応じた在庫数を維持し、不要な保管コストを削減することができます。
AMESOSチームは、精密機械の設計、ハードウェア、ソフトウェア、材料、造形プロセス、産業用アプリケーションに関する豊富な知識と経験を持っています。モーションコントロールとリニアステージのコアテクノロジーにより、AMESOSのプリンターはスピードと精度の両立を実現しました。
シンガポールに本社、中国、米国、ドイツ、日本、韓国、マレーシア、タイ、イスラエルに支社を構え、世界中のお客様に優れた製品と技術サポートを提供できます。半導体、ロボット、自動車、防衛、航空宇宙、ヘルスケア、エネルギーなどの産業のお客様に対して、機能性プロトタイピング、スペアパーツ、カスタマイズ部品、最終製品の量産など、多様なアディティブ・マニュファクチャリングのニーズにお応えしています。
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3Dプリンティングが、オランダ王立海軍(Dutch Navy、以下、オランダ海軍)のキーテクノロジーになりつつある。
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SAIC Yanfengは中国に所在する自動車座席を作る会社です。この会社はSAIC通用自動車、SAICフォルクスワーゲン、Changanフォード、Changanmaマツダ、Dongfeng日産とJAC自動車の連携パートナーとして人気を博しています。 SAIC Yanfengの会社員は17,000以上、拠点は中国で52箇所あります。
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